題名→はちみつれもん。つづきその2。
レモンは、家を出た。
てくてく歩いてく。高校時代が懐かしい。友達と笑いあい、何も未来に不安なんかなかった。
今とは逆だ。
今思えば、高校時代なんであんなに、楽しかったかわからない。
大学を、やめたところで、何か変わるのか?今の状況が、さらに悪くなるだけだ。そう思いながら、ふーっと、息をはく。
息が、白く、はきだされ、すぐに、消える。
もうコートの季節だ。去年のコートを、着ている。お気に入りなのだ。
コートを、買うお金がないわけではなく、去年買ったコートを、今年も着ようと、去年から、決めていた。
親への気づかいでも、ある。お金を、節約してる気になっていた。
家はけっして、お金持ちではない。でも、毎年、コートを、買いかえるお金くらいならあるのだが…気持ちの問題だ。
『おはよう。レモン!』
『おはよう。佳那汰(かなた)。』
『実習のレポート出したか?』
『ううん。まだ。』少し、困ったように、答える、レモン。
佳那汰は、いっつも、レモンのレポートを、丸写ししている。レモンは、嫌がっているが、断りきれない。
断りきれないのは、レモンが、佳那汰に、気があるからだ。
惚れた弱みとゆうやつだ。
丸写しして、提出されると、いっつも、レモンが、丸写ししてるんじゃないかって、容疑を、かけられる。
魔法教授から、はっきり、丸写しはよくないと、佳那汰のことを、しかってほしいが、魔法教授も、佳那汰に気があるのだ。
それに、レモンが、丸写ししてると思われている。
佳那汰に想いをよせる女子は、たくさんいる。
佳那汰のアイドルなみの容姿と、おしゃれな服装…もてるはずだ。
佳那汰と友達になれる女子は少ない。
たまたま、友達になれたレモンは、運がすこぶるいい。
佳那汰は笑った顔は、太陽のように、輝いている。