ショートショート
焼きそば
おばあちゃんが、作ってくれる焼きそばが好きだった。おばあちゃん、どこへ行ったの?
あたしの名前は、腹ペコザウルス!…うそ、ただの小2の子供。今、お腹が減っていた。
『おばあちゃーん!夕ごはん、食べにきたよ♡』おばあちゃんと呼ばれた高齢者は、返事をし、焼きそばを、作り始めた、そして、完成した焼きそばが、テーブルに置いてあって、おばあちゃんは、2度とあたしの前には現れなかった…(なんで?)あたしには、わからなかった。でも、大人たちは、誰も騒ぐことなく、また、日常が始まる。そんな大人たちがあたしは嫌い。それに流される自分はもっと嫌いだった。
あれから、もう大人になって、焼きそばぐらい自分で作れる。でも、おばあちゃんの焼きそばの味は出せない。この国では、人間は死なない。85才をむかえると、天国に連れてかれる。天国から、帰ってきた者はいっさいいない。
END