お弁当(携帯小説)
手作りのお弁当を、作った日…。
いつもは、父にしか作らないのに、家族分作った。
本当に、いつも、しないことを、急にするもんじゃない。
だって、これが、最後のお弁当になった。
この日以来、あたしは、家族に会っていない…。
そして、その日から、違う女の人生を、歩み始めた。
名前は、華羅賀あゆみ(はならかあゆみ)
そして、
華羅賀あゆみは、あたしとして、生きていくことになった。
つまり、チェンジした。
華羅賀あゆみと、あたしは、魂が、入れ替わったのだ。
しかも、人為的に。
あたしは、北海道で、育った、冬美、
金沢冬美(かなざわふゆみ)
という人間だった。
あゆみは、沖縄県民だったから、北海道の寒さは、こたえただろうか…そんなことを、考える。
そして、魂が、入れ替わった二人は、これから、どうするか、二人は、二人なりに考えて、生きていく。
とある神社の巫女見習いのせいなのだが、
二人はそれを、知らない。知る手段など、あるわけない。
そして、この物語は、始まった。